呼吸の仕方
呼吸というのは、私たちが日頃、間断なく行っている普通の呼吸の事です。呼吸というのは、人が生きる上で必要不可欠な酸素などの空気を取り入れ、同時に体内で作られた余分な二酸化炭素などを吐き出すという、非常に重要な動作です。
ただ、意識的に行う事はほとんどなく、無意識で常に行っているものなので、これを健康法と言われても、あまりピンとこない人が多いのではないでしょうか。
しかし、実際にはこの呼吸をどのようにするかという事が、健康に大きく関わってくるようです。
まず、呼吸をする場合、どういった器官を使うかというと、主に呼吸筋と呼ばれる筋肉を使用します。
その呼吸筋を並べてみましょう。
前斜角筋、中斜角筋、後斜角筋、内肋間筋、外肋間筋、内腹斜筋、外腹斜筋、胸鎖乳突筋、腹横筋、腹直筋、横隔膜…等となっています。
これだけの筋肉が、呼吸をするためには必要となっているのです。つまり、呼吸の仕方次第では、これらの筋肉を一度に鍛える事ができるのです。
武術と健康
この世にはたくさんの健康法がありますが、その中でも特に全ての要素を健やかにするのが、武術です。
日本伝統の空手や剣道を始め、少林寺拳法やテコンドー、あるいはボクシングや柔道、相撲、キックボクシング、総合格闘技など、武術と呼ばれるものは数多くありますが、いずれにも言える事は、武術は礼に始まり礼に終わるもの、ということです。
武術というと、近代ではいわゆる「武器」と同じように取られがちです。勝てば正義、勝てば支持される、勝てばお金持ちになれる、勝てば有名になれる。こういった考えを持つ格闘技者も増えてきていますが、実際にはそれは武術ではなく、ただのレースです。
武術の根本には、肉体と精神を養うという健康法が常に存在しているのです。
武術は本来、相手を打ち負かすのではなく、自らが健康を維持する為のものとして生まれました。
ですから、どのような武術においても、本来は健康法と大きな結び付きがあるのです。