健康運動指導士とは1
健康運動指導士とは、健康のための運動を国民に指導する専門家のことで、運動を通して国民の健康づくりに寄与しようという目的の下に養成された指導者です。
昭和63年に旧厚生省(現厚生労働省)によって国家資格として認められましたが、現在は財団法人の「健康・体力づくり事業財団」で認定されており、今まで国民の健康維持及び増進のために、社会に大きく貢献してきました。
特に現代は、運動不足を初めとして飲酒、喫煙、不規則な食事など、日頃の生活習慣が原因として大きく関わっている、高血圧や糖尿病などの生活習慣病にかかる人が増えており、これを予防するためには常日頃からの適度な運動が必要となってきます。
しかし健康を維持し増進させるためには、具体的にどのような運動をしたら効果的なのかよくわからないという方も多くいらっしゃることと思います。
健康運動指導士はそのような方々の為に、個人個人の体力や身体の状態に応じて、最も適した安全かつ効果的な運動プログラムを作成し、それに基づいてジョギングやストレッチング、筋力トレーニングなどの実践的な指導を行ないます。
健康運動指導士とは2
医学や運動生理学における基礎的な専門知識を有し、健康づくりのために必要な運動を指導する知識と能力を身に付けていて、現在この健康運動指導士の資格を持っている人は、国内では1万人を超えています。
フィットネスクラブと呼ばれる会員制のヘルスクラブで、インストラクターとして活躍したり、健康増進施設や医療機関などで、健康を維持し増進するための業務に従事しています。
最近の医療制度の改革によって生活習慣病予防対策が本格的に展開され始め、また年々社会が高齢化していくにつれてお年寄りの数が増え、健康運動指導士の介護施設での需要も増えると共に、社会的な関心と期待も高まってきています。
政府も今後、健康運動指導士の数を増やしていく方針のようで、非常に将来性の高い職業であるといえます。
健康運動指導士の資格を取得するためには、健康・体力づくり事業財団の管轄下で行なわれる健康運動指導士育成講習会を受講した後で、認定試験に合格しなければなりません。
健康運動指導士の主な役割
健康運動指導士は、生活習慣病を予防することによって国民の健康を維持・増進させ、生涯にわたって病気にかからず、健康な生活を営んでいくことができるようにすることを目的として、昭和63年に当時の厚生大臣の認可によって設けられ、その後、政府の養成事業として進められてきました。
健康運動指導士の役割としては、国民の健康を維持、及び増進させるにおいて必要となる、安全でしかも効果的な運動指導を行なうための運動プログラムの作成と共に、実践指導計画の調整等を担っています。
最近では生活習慣病の他にも、日本人が患っている疾病の中で、死亡の原因として上位を占めている病気に大きく影響を及ぼすメタボリックシンドロームというものがありますが、これは内臓の周囲に脂肪が付くことによって起こるため、内臓脂肪症候群とも呼ばれています。
原因は運動不足と食べ過ぎにあるといわれていますが、このような生活習慣病やメタボリックシンドロームなどによる症状を予防・改善するために、運動療法を中心として、その方法と量をアドバイスしていくのが健康運動指導士の主な役割となっています。
健康運動指導士の資格取得
健康運動指導士の資格を取得するためには、まず健康運動指導士養成講習会を受けるか、或いは養成校の養成講座を受講する必要がありますが、講習会の場合は受講資格の条件として、保健師か管理栄養士の資格保持者、4年生体育系大学、または医学部保健学科の卒業者などに限られます。
これらの講習会や講座を受講し、所定の単位を修得して修了したら、今度は健康運動指導士の認定試験を受けなければなりません。
そして試験に合格し、健康運動指導士台帳に登録されることによって初めて、健康運動指導士としての称号が与えられることになりますが、ここまでの過程は全て、財団法人である健康・体力づくり事業財団によって実施されます。
試験に合格して健康運動指導士の資格を取得すると、国民の健康維持と増進のための運動プログラムを個人に合わせて作成し、実際にその指導に当たるようになります。