定期健康診断とは

定期健康診断とは、全国健康保険協会管掌の健康保険に加入している方が受けられる、生活習慣病を予防するための健康診断のことをいいます。
生活習慣病とは、日ごろの生活習慣が原因に大きく関わっていると考えられる疾患の総称ですが、主な病気に糖尿病や高血圧などがあります。
定期健康診断は、このような生活習慣病にかからないようにするために実施されていますが、職場で行なわれる従業員の健康診断は、労働安全衛生法によって受診が義務付けられていて、これに従わない時は減給や懲戒処分などの不利益を被る場合も有り得ます。
定期健康診断は一般的に、法令によって受診が義務付けられていますが、これとは対照的に、受診者の意思により任意に行われる健康診断もあります。

様々な検査を受ける

現代はライフスタイルが多様化し、人それぞれ様々な生活環境の中で暮らしていますが、突然生活のリズムが狂い始めると健康に大きな影響を及ぼします。
特に現代社会ではストレスを受けやすく、また飲み会などが重なって暴飲暴食をしたり不規則な生活が続いたりすると、体調を崩して健康にも大きな支障をもたらすようになります。
従って、常に自分の健康には関心を持って、日頃から運動したり節制するように心がけることが大切です。
また自分の健康状態を管理し、健康状態の維持と疾病の予防、そして早期発見及び治療に備えるために健康診断を定期的に受けることをお勧めします。
特に学生や会社勤めの方は学校や職場で受けられますが、主婦の方はなかなか健康診断を受ける機会がありませんので、積極的に2年に一度くらいの割合で、血液検査を初めとした様々な検査を受けるのが望ましいといえます。

健康診断の費用1

健康診断にかかる費用は、基本的には健康保険の対象外となりますので、多額の費用がかかってしまう場合もあります。
費用は一概にいくらとは言えませんが、病院や診療所、保健所など医療施設の違いや健康保険の種類、住んでいる地域、また健康診断の検査項目によっても違ってきます。
会社に勤めている方の場合は、1年に一度ずつ健康診断を受けることが義務付けられていて、その費用は会社で負担してくれますが、大学生や主婦、またはお年寄り、あるいは自営業の方は費用を自分で支払わなければなりません。
一般的な健康診断の費用は5,000円前後と言われていますが、検査項目が増えるに従って料金も高くなり、検査によっては10,000円を超える場合もあります。

健康診断の費用2

会社員の健康診断の費用は、従業員の医療、保険関係、または厚生施設などに使われる福利厚生費でまかなわれますが、検診項目や費用が必要とされる範囲を超えてはいけない、特定の者だけを対象としない、費用の支払いは、会社から直接医療機関に行なわれなければならないなどの条件がつきます。
健康診断の検査項目には、基本的な血液検査や尿検査、血圧測定のほかに、疾病の早期発見及び健康指導を行なうために、短期間病院に入院して全身の精密検査を行なう人間ドックもありますが、費用は普通の検査に比べると高くなります。

またバリウムを飲んで検査する胃透視や胃カメラとも呼ばれる内視鏡検査、脳梗塞やくも膜下出血を起こす危険性がないかを調べる脳ドック、ガンの早期発見、治療を目的としたガン検診など特定の病気を予防するための検診もありますが、自分の年齢や体質と照らし合わせながら、かかりやすい病気を予防するための検査を行なったら良いと思います。

結果を正しく確認する

健康診断を受けると、後で医療機関から結果表が送られてきますが、この結果表の見方が難しくて、なかなか理解しにくいという方が割といらっしゃるようです。
健康診断とは、そもそも健康の維持と病気の予防、早期発見及び治療のために、診察や各種検査によって健康状態を調べることで、病気の発生を未然に防ぐという大切な役割を持っていますが、結果表の確認が十分に行なわれなかったら、せっかくお金を払って健康診断を受けても何にもなりません。
もしも健康に重要な支障をきたす事項の確認がおろそかになってしまったら、そのことが原因で、後になって健康を損なう結果をもたらさないとも限りません。
従って、健康診断の結果を正しく確認することが重要になってくるわけですが、次に健康診断の基本的な検査項目を挙げてみます。

検査の種類

検査の種類には生理学的検査、検体検査、画像診断検査などがありますが、生理学的検査は身体を直接対象にした検査のことをいい、心電図や脳、超音波検査のほかに、身長・体重・視力・聴力検査などが含まれます。
検体検査は体内から排泄され、採取したものを検査の対象とするもので、血液や尿、便、喀痰などを用いた血液検査や免疫・血清検査、微生物検査などがあります。
また画像診断検査は、画像によって身体の部位を捉えて検査する方法で、超音波(エコー)検査やMRI(磁気共鳴画像装置)、胸部エックス線、胃・十二指腸X線造影検査などがあります。
このように健康診断には、実に多岐にわたった様々な検査項目があります。
健康診断を受けた後に送られてくるこれらの検査結果が、基準値と見比べてみて少しでも異常があった場合は、精密検査を受けなければなりません。